新建築 2015年1月号 塚本由晴氏の論壇を読んだ
ふるまい型の空間と、施設型の空間
20世紀は概念が先の建築である施設型の建築が作り出す空間が席巻していた
施設型は現在、人の行動を制限する方向を突き進んでいる
先行する概念に基づいて、道徳的に人びとのふるまいの善悪を判断する空間
それに対してふるまい型の空間とは何か
まず、だれかのふるまいがある
ふるまいを他者と共有する
(人間以外のなにものかのふるまいによって介在されたふるまいは、共有されやすい)
(例えば、花見は、桜という自然を介在したふるまいであり、共有されやすい)
共有されたふるまいは、都市空間に滲み出す場合が多く、それはパブリックスペースとなる
これは、ふるまいを元とした非施設型の都市空間といえるだろう
非施設型の空間を広めるためには、高い評価を共有することが必要だが、どのような評価軸、評価基準であれば、高い評価を得られて、しかも共感を得ることができるのだろうか
1つはビヘイビオロロジー、ふるまい学からの評価軸
もう1つは建築を結節点とした、人、モノ、技術のネットワークによる評価(ネットワークがあることが良い?)
これらの評価軸は、時間がかかるので分かりにくい
しかし、時間がかからず分かりやすい建築を大量生産してきた結果、地域内での人、モノ、技術の結びつきを解体し、コミュニティや風景の維持を脅かしている
非施設型の空間の実践は、他者に対する依存度が高く、繊細で、小規模で、仮説的なだけに不安定である
施設型と非施設型の技術や思想、コンセプトや人の交流により、相互に影響を与え合って都市空間は変化するかもしれない
さて、ここまでが記事の概要であるが、読んだ私はどう考えたか
仕事においては、その空間の妥当性を説明するために、ふるまいを元とした空間構築を説明すると、説得力があるかもしれない。
ただし、例えば今の案件についていえば、設計の目的の大きな1つは、店舗に人が入ることなので、ふるまいから店舗が賑わう空間構成であることを説明しなければならない。
目的に対して、ふるまい型の空間がしっかりと説得力を持つかどうかは、いろいろある。でも、すくなくともそれを説明している自分の雰囲気は、強度が高まるのではないか。