読書感想 「"財政が厳しい"ってどういうこと?」

タイトル:自治体の"台所"事情 "財政が厳しい"ってどういうこと?

著者:今村 寛

出版:ぎょうせい

 

Facebookで以前からこの方の出張財政出前講座が盛り上がっているのを知っていたので、興味を持ち、読んでみました。

以下感想。

 

  • これまでの一般的な自治体の財政課の仕事は、各課から要請される予算をいかに削るかという業務であることが分かった。そうすると、財政課が他の課と仲良くいられないのも納得できる。
  • そして各課が頑張って予算を獲得できる原資は、一般財源のなかの政策的経費だけ。
  • 政策的経費とは、一般財源から義務的経費を含む経常的経費を除いたもの。
  • 福祉や公債、公共施設維持などで経常的経費は増加しているので、政策的経費に利用できる財源は現象していく傾向にある。
  • 政策的経費で始め、経常的経費で維持する。
  • 時間軸を含めた全体最適化が求められるし、それを職員、議会、住民で共有、共感、納得することが必要となる。
  • そのために、対立を対話で乗り越えることが重要だという主張は全くそのとおり。対象者により高度なスキルやツールが必要となる。
  • ただ、まずは感情の共有かなぁ。危機感の共有かなぁ。それを出発点にしながらも、理想を掲げていくべきか。
  • ビルドアンドスクラップ、という言い方をしておられる。先に、何を目指すのかを明確にし、共有して、限りある資源の最適な配分をしようよということでしょう。
  • 当たり前のことだけど、この当たり前のことが、縦割りの分業によって分離されていて、やる!という判断と、やめる!という判断が連動してないのは、自治体の現状に大いに不安を持つ材料である。
  • 対話の重要性、全てのカギとおっしゃられていることに、大変共感する。
  • オフサイトミーティングをはじめたことは偶然かもしれないが、著者の何気ないリーダーシップがその偶然のチャンスを活かすきっかけとなったことが肝だと思った。

以上。