素朴な疑問は答えづらい

昨日いすみで帰りの電車を待っているときに、20歳の大学生さんから

「仕事で一番何が大変ですか?」

と聞かれて困った。

私は一応建築業界のいろいろな会社で様々な経験をさせてもらって、今の会社では建築のコンサルタントみたいなことをしている。なので、建築プロジェクトを進める際のいろいろ大変なことは思いつく。事業計画や設計企画などの初期計画での難しさや、コストやスケジュールのマネジメント、品質の管理、複数業者のコントロール、行政等手続きの進め方、検査時のチェックポイントなど上げだしたらキリがないのはどの業界もそうだろう。

しかし

「コミュニケーションかなぁ」

と答えさせてもらった。

これもどの業界でもそうだろう。あらゆるところでコミュニケーション不全によるトラブルが起こる。私たちの業界はとりわけ、プレイヤーが多いために十分な意思の疎通が必要であるのに、一方で業界の構造が昔から固定されているため慣例や暗黙の了解が多く、また作ってしまってから直すことが難しいこともあって、コミュニケーショントラブルが多くまた影響も大きい。

私たちのようなコンサルは、その各プレイヤーの調整役を期待されることが多く、板挟みの中でプロジェクトを前進させるべく動き回ることが多い。

まぁ、「最終的になんとかする」っていうのがマネジメントの一つの成果だからね。なんとかするけどさ。

そんなことを学生さんと対話をしながら

だから、仕事として報酬をいただき、社会の役に少しは立てているのかなと

そうふと思った。

私は別に、仕事というのは大変な作業だから対価が貰える、ということを言いたいのではない。ニュアンスが難しいが、やはり人や社会から必要とされるからこそ、その業務に報酬が与えられるのだろう。

この変化の激しい世の中で、どのように必要とされ続けるのか、そう誰もが当たり前に考えていることを当たり前に私も考えている。

そして私なりの答えはもう出ている。先に書いた通り、コミュニケーションだ。

私はコミュニケーションの技術をより高めていくことで、必要とされ続けられる存在を目指している。

とりあえず今は。